もう1年近く経ってしまうが、Spring Bootで静的コンテンツにフィンガープリントをつける の続き。
以前は、プロジェクト内で書いたCSSやJavaScriptに対して、コンテンツを基にしたハッシュ値によるバージョニングについて確認したが、Bowerなどのライブラリに対してバージョニングする部分は
これはこれでいいが、バージョンの更新を忘れそう。
Gitのコミットハッシュ値を自動的につけられるなら利用したいが…これはまた別の機会に考えてみる。
としたままだった。
このままだと、ライブラリをアップデートしてもクライアント側のキャッシュが更新されず、更新が適用されない、というような問題が生じる。
しかしこれは今になってチャレンジしてみると意外に簡単にできた。
前回のエントリに加えて必要なものは gradle-build-info-plugin。
これを組み込むことで、手軽にgit.propertiesというファイルにGitコミットIDなどを埋め込むことができる。
gradle-build-info-plugin 適用
以下のようにbuild.gradle
に追加する。
buildscript {
repositories {
mavenCentral()
}
dependencies {
classpath 'org.springframework.boot:spring-boot-gradle-plugin:1.3.3.RELEASE'
classpath 'com.github.ksoichiro:gradle-web-resource-plugin:1.7.0'
// ↓追加
classpath 'com.github.ksoichiro:gradle-build-info-plugin:0.1.5'
}
}
apply plugin: 'spring-boot'
apply plugin: 'com.github.ksoichiro.web.resource'
// ↓追加
apply plugin: 'com.github.ksoichiro.build.info'
// ↓追加
buildInfo {
gitPropertiesEnabled true
}
プロパティ読み込みクラス追加
他にもやり方はいろいろあると思うが、例えばこんな感じでコミットIDを読み込めるようにする。
@Component
@PropertySource("classpath:/git.properties")
public class GitProperties {
@Autowired
private Environment environment;
public String getCommitId() {
return environment.getProperty("git.commit.id");
}
}
バージョン設定
以前のエントリで作成したWebConfigクラスに先ほどのGitPropertiesクラスをDIして、それをVersionResourceResolver#addFixedVersionStrategy()
に設定する。
ここでは静的リソースのインストール/ビルドなどは gradle-web-resource-plugin を使っている前提としているが、その場合、Bowerのライブラリは/libに配置される。
そのため/lib/**
に対してGitコミットIDでバージョニングしてやれば、アプリリリース時に必ず更新されるようになる。
@Configuration
public class WebConfig extends WebMvcConfigurerAdapter {
// ↓追加
@Autowired
private GitProperties gitProperties;
@Bean
public ResourceUrlEncodingFilter resourceUrlEncodingFilter() {
return new ResourceUrlEncodingFilter();
}
@Override
public void addResourceHandlers(ResourceHandlerRegistry registry) {
VersionResourceResolver versionResolver = new VersionResourceResolver()
.addContentVersionStrategy("/css/**", "/js/**")
// ↓追加
.addFixedVersionStrategy(gitProperties.getCommitId(), "/lib/**");
registry.addResourceHandler("/**")
.addResourceLocations("classpath:static/")
.setCachePeriod(null)
.resourceChain(true)
.addResolver(versionResolver);
}
}
結果
上記のような設定で動かしてみると、以下のような記述が
<link rel="stylesheet" th:href="@{/css/app.css}"/>
<link rel="stylesheet" th:href="@{/lib/bootstrap/dist/css/bootstrap.min.css}"/>
次のように変換される。
<link rel="stylesheet" href="/css/app-e7970393ed273fc19cc677a9ba21f6c8.css" />
<link rel="stylesheet" href="/fe9698a/lib/bootstrap/dist/css/bootstrap.min.css" />
/css/app.css
に対してはコンテンツベースのバージョニングが適用され、/lib/bootstrap/dist/css/bootstrap.min.css
に対しては固定バージョニングが適用されている。
(fe9698a
がコミットID)
Spring Bootで上記を試して一通り動かせるようにしてあるソースはこちら。
まとめ
- Spring Boot / Spring Framework では GitコミットIDを書き込んだファイルを含めておけばコミットを使ったバージョニングができるので、自分でバージョン番号などを管理しなくても、アプリをリリースするだけでキャッシュバスティングできる。
- gradle-web-resource-plugin と gradle-build-info-plugin を使えば簡単に適用できる。
(2016/03/23 追記)
今回の実装だと、パスのパターンが変わってしまうことにより
認証対象外としたいリソースが認証対象になってしまう可能性がある。
これについては次のエントリ Spring BootでJavaScript/CSSライブラリにフィンガープリントをつける (2) で補足。
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